ピンク色は嫌い ~論理的に考えよう~
水色がいいの、ピンクはいや
近くの店の一角の、新生活グッズコーナー。
大きいものやら小さいもの、蓋がコップになるタイプやワンタッチで開くタイプ。保冷、保温ができるものは少し値段が高い。
私はひたすら水色のものを探す。
なかなかの年数使っていた娘の水筒が壊れたので、急遽新しいものを買いに来たのだ。小学校の冷水器では生徒数に間に合わず、毎日水筒持参。せめて週末なら娘と買いに行って、気に入ったものを選ばせればいいが、あいにく平日でそうもいかず、取り急ぎ間に合わせで買い求めに来たのだった。
幼い頃から水色が好きで、たまにピンク色のTシャツを買っても着てくれない。かわいいよ似合うよと言ってもだめ。
そのうち諦めて、「水色ならいいんでしょ」と、私も水色しか選ばなくなって久しい。
ぴかぴかの新品の水筒たち、赤、青、シルバー、黒。水筒自体にスポーツ色があるせいか、スポーティーで男の子っぽいデザインが多い。ピンクはあるのに水色はない。ターコイズブルーのような濃い色ではなくて、女の子らしい空色がないものか。
…ない。
仕方ないので、水色を諦める。
いいや、私自身の水筒もそろそろくたびれてきているし、2、3日これでしのいで、週末娘をつれて大きなお店に買いに行こう。
買った水筒は桜色のようなピンク。少しパールの輝きが入っている。
かわいいと思うんだけどな、ピンクも。
すべての科目に言えることだろうけれど、算数は極めて論理的な科目だとつくづく思う。関係性を式に表し、論理的に考えていけば、答えなんておまけのようなものだとさえ思うこともある。すべての公式には当然だけど理屈があるし、それを理解すれば、いたずらに「公式=暗記」に走ることもない。(もちろん理解度に個人差が出るのは仕方のないことだけれども。)
だから、「算数?あんまり好きじゃない、僕苦手なんだよね」とか、「図形は嫌い」とか、「速さは面倒くさい」とか、そんな風に大雑把に白黒つけてほしくない。私は「言霊」というものを信じている。言葉に出してしまうと本当にその通りになるのだ。
「嫌い、苦手」という前に、君はやることをやっただろうか?
同じ長さ、角度にはすべて同じ印を!
食塩水の問題は、まずはビーカー図か面積図だよ、とにかく描いてみた?
速さで気を付けなければならないことって、なんだっけ?そう、まずは単位でしょ?
単元ごとに、始めのアプローチ法は与えている。それをすべてやった上で、わからなかったりできなかったりすることには私は寛大である。そうだよね、そこから発見が必要だね。隠れた相似が見えるかな、この答えが奇数になるのはおかしいよね、…。その子がじりじりと解いていくのをじっと見守る。この仕事の醍醐味である。真剣に取り組んでいる子は必ず伸びる。
何もしない子ほど「嫌い、できない、苦手、算数!」と言う。鬼の首を取ったように。
だからさ。
それは君の思い込みなんだよ。手を動かして図を描くなりして丁寧に考えていけば半分くらいまでは解けるはずなの。最初から全部わからないというのは、試合放棄、敵前逃亡。面倒だなと思うことから逃げているだけ。だから、「算数、嫌い」なんて言ってはダメ。「図形は苦手」なんて言ったら、本当にできなくなっちゃうよ。
まずはできることをやってみようよ。間違えることは問題じゃない、間違えることすらできないことが問題なんだよ。いつまでたっても正しい道にたどり着けないじゃない。
そして、いろいろやっているのに、でも、でも、それでも苦手意識に支配されている君へ。
「図形は苦手」と大きくとらえずに、「図形の移動が苦手」と、苦手な部分をハッキリと浮き彫りにしてみよう。「規則性は嫌い、でも、等差数列の和の出し方は苦手じゃないな」とかさ。できれば1回の授業で「とにかく今日はここだけでもわかったぞ!」と思える部分が1つでもいい、あれば未来は明るい。何せ君たちは若いのだから、塵も積もれば山になるよ!
必要なのは「論理的思考」。こうだからこうなる、と考える癖はきっと自分が生きていく上で、いつか必ず自分を助けてくれると思う。自分の役に立つと思う。
「算数=苦手」
は、自分の勝手な思い込み。そう思わない単元もあるはずだよ、あまり決めつけないで柔らかい頭と素直な心でいてほしいな。
授業が終わり、帰る地下鉄の駅のベンチで娘からのメールに気づく。新しい水筒を買ってきたよと、机の上に置いてきたのだ。
水筒、かわいい、ありがとう!!(絵文字いっぱい、キラキラキラ、ハートハート!!)
「ピンクが嫌い」は、思い込みだったんだよ、素敵なピンクもあるでしょう?
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