跡見学園中学校 第2回教育関係者対象学校説明会 2021年10月18日
①学びについて
1.これからを生きるために
ステイホームにより、移動が制限されたり、検温や手洗い、ソーシャルディスタンス等が特に徹底された「Withコロナ」の時代を経て、対面授業とオンライン授業のハイブリッド型で学びを得る「ポストコロナ」の時代を経て、その先では考える力と発信する力を養い、探求し、問いを立てていかなければならない。そのためには何が必要なのかを考えなければならない。
2.跡見学園の学び
データ(どのような科学的根拠があるか)、歴史(どのようにして人類は困難を乗り越えてきたか)、世界(どのような状況に直面しているか・どのような課題があるのか・どう対策すればよいか)に目を向けた教育を重視している。跡見流リベラルアーツで「型」を学ぶ。(跡見に息づく型、肩を破る方法を学ぶ型)自然・文化・歴史などの本物の美の探求で「礎」を築く。さらに、サイエンス研究(中1、2)SDGs研究(中3)、セルフプロデュース創造的研究(高校生)などのように、探求型創造学習で「問い」を探求していく。このような学びを積み重ねていくことにより、自らの美意識のもとに新たな価値を生み出し、周りを幸せにする女性を理想としている。そして卒業しても凛としてしなやかな人物を目指している。目の前の成果だけを求めるのではなく、焦らずに長期的に経験を積み、実力と教養を身につけていくことを目指している。また、以下にどのような学びを得ているのかを具体的に記す。
<数学>
・統計グラフコンクール(高校1年生全員参加)
・MATHコン(中学生全員参加)
「ババ抜き~最初にジョーカーを持った人は不利なのか」
「割引とポイント還元はどちらが得か」
「人間が美しいと感じる黄金比は?」
「バスケでシュートが入るために」
「レジ袋の未来」
<理科>
・自然科学観察コンクール
・全国学芸サイエンスコンクール
「湯豆腐のなぞについて」
・益富地学賞
「液状化はどのようにして起きるか」
・図書館を使った調べる学習コンクール
「身近に潜む『発酵菌』」
<芸術>
・中学生:音楽、美術、習字
・高校生:音楽、美術、工芸、書道から選択
・全校生徒で芸術鑑賞会を楽しむ
・ウィーン少年合唱団
・ドレスデン聖十字架協会合唱団
・ダン・タイ・ソン ピアノリサイタル
・グルジア国立バレエ
今年はチャイコフスキーを観賞予定である。
②入試について
日程を以下に記す。
12/18 帰国生入試 10名
2/1 午前 一般入試第一回(2科・4科) 70名 1.9倍→2.0倍 76%・66%
2/1 午後 特待入試第一回(2科) 50名 2.0倍→2.0倍 75%
2/2 午前 一般入試第二回(2科・4科) 60名 2.4倍→3.0倍 83%・76%
2/2 午後 特待入試第二回(2科、国語重視型入試) 40名 1.8倍→2.0倍 61%
2/4 午前 特待入試第三回(思考力入試・英語CS入試) 20名 2.7倍→1.9倍 78%・68%
2/5 午前 特待入試第四回(2科・4科) 20名 4.5倍→2.4倍 81%・71%
※右側の数字は、左から順に定員、実質倍率2020年→2021年 、合格最低得点率(2021年)を表している。
※英語CS入試:英語コミュニケーションスキル入試
1.国語重視型入試 (2/2 午後)
「ことば」と「美意識」が周囲への影響力の元になると考え、国語をメインとした入試である。国語と算数の2科目による入試だが、合格判定では「国語のみの得点」及び「国語と算数の合計得点」の両方を用いる。「国語のみの得点」で合格者の4割程度を決定する。
2.思考力入試 (2/4 午前)
2科4科とは異なる観点で受験生のユニークな力を見出すための入試である。「情報を整理して考察する力」、「考えを自分の言葉で発信する力」、「自ら課題を発見する力」を持つ受験生を求めている。配点と時間は以下の通りである。
思考力:150点・50分
漢字力・計算力:50点・30分
3.英語コミュニケーションスキル入試 (2/4 午前)
大学入試や国際社会で求められる英語4技能の基礎的な力を持つ受験生を見出すための入試である。Reading、Writing、Listening、Speakingいずれも難易度は英検4~3級程度である。配点と時間は以下の通りである。
漢字力・計算力:50点・30分
英語筆記(Reading・Writing):50点・20分
英語面接 (Listening・Speaking)100点・5~10分
※思考力入試と英語コミュニケーションスキル入試の両方を受けることはできないので、注意が必要である。
4.特待入試
合格者の中から特待生を選抜する。「特待合格」のほか、一定以上の成績を収めた受験生は「一般合格」となる。特待合格の目安は得点率85%程度以上である。特待生の特典として、年間授業料が半額免除となる。
5.帰国生入試
国語:50点・40分
算数:50点・40分
作文;20点・40分
面接:20分
作文は日本語600字、面接は受験生と保護者1名で行う。なお、帰国生入試入学者と英語コミュニケーションスキル入試入学者は、「英語取り出し授業」の対象となる。
各科目の出題傾向は以下の通りである。但し、数学に関しては後述する「③算数の傾向と対策について」で紹介する。
【国語】
〈午前入試〉
大問一:文学的文章
大問二:説明的文章
大問三・四:言葉の知識・漢字など
〈午後入試〉
大問一・二:説明的文章
大問三・四:言葉の知識・漢字など
硬めの随筆が出題されることもある。午後入試は説明的文章問題に重点を置いている。国語重視型入試では若干記述量が多めである。
【理科・社会】
理科は大問5問構成で配点は50点、社会は大問3~5問構成で配点は50点である。この二科目を合わせて50分間で解答する。解答する順番や時間配分は自由である。理科では力学のおもりに関する問題、植物、天体など、社会では世界の雨温図や国連、三権分立に関する問題が頻出である。過去三年間で同じ分野からの出題があるので、過去問対策が重要である。
2科4科選択制の入試では、合格者の8割が国語算数の2科目の合計得点で判定し、残りの2割は4科目の合計得点で判定する。また、繰上合格者を決定する際、複数回受験による判定上の優遇を考慮する。
また、都内都区立中高一貫校を併願して受験する人たちをサポートするため、都区立中高一貫校の受験票写しを提出した者に限り、入学手続き締切を2月9日まで延長することが認められている。なお、2019年度から2021年度までに80名の受験者が受験票の写しを提出した。対象となる学校は、白鴎高校付属中学校、小石川中等教育学校など11校である。
③算数の傾向と対策について
算数に関しては、「基本的な考え方や計算力を身につけている」、「検算まできちんと行うことが出来る」、「丁寧に式を書き、問題に取り組むことが出来る」ことが求められている。
<算数の入試日程>
2/1 2/2 2/5
午前 一般入試 一般入試 特待入試
午後 特待入試 特待入試
<出題傾向>
第1問 計算問題 8題
第2問 文章題・図形問題 8題(一行問題)
第3問 応用問題 小問2題
第4問 応用問題 小問2題
第1問と第2問は答えのみを回答し、第3問と第4問は式や考え方も書くように求められている。一般入試と特待入試で問題の区別はないが、特待入試の方が難易度が高くなる。
<傾向と対策>
第1問では、四則演算や計算の工夫に関する問題、比やハコを使った逆算や単位計算が出題される。昨年度の入試では単位換算の問題の正答率が低かった。第2問では数の性質(約数、倍数、平均、余り)、特殊算(速さ、食塩水、仕事算、割合、つるかめ算、集合)、図形問題(面積、周の長さ、体積、表面積、角度、合同、相似)が出題される。中でも、特殊算の速さや食塩水、仕事算などの問題は頻出である。昨年度入試では、図形問題の正答率が低かった。第3問や第4問では図形やグラフ、規則性や判断・推理などの応用問題が出題される。応用問題は答えが違っていても途中式が合っていれば部分点を得ることが出来るので、解答欄に必ず式を書くことが大切である。応用問題の(1)は第2問の一行問題よりも解きやすいことがあるので、確実に点を取れるようにしたい。(1)で得られたヒントを基に、(2)でどれだけ解くことができるかが勝負である。当たり前のことを大切にきちんとできているかが求められている。