【山脇学園】教育関係者説明会レポート 2024年度入試情報&2023年度入試結果他(2023/07/21配信)

山脇学園 校長 西川史子先生より

今年、創立120周年を迎える伝統校で、都内女子高で生徒数が1,600名を超える大規模校といえる。たくさんの出会いと多様性に満ちた学園である。個性をもった生徒たちが織りなす多様性が宝であると思う。一人の生徒が様々な学びの経験ができるというところがいいところであり、一人ひとりの生徒をきめ細かく見ていくということを大事にしている。
また、本校の豊かさは、都心にあって広い校庭である。体育祭や部活動もここで繰り広げられる。生徒たちの心や体をどれだけ育てていけるか計り知れない。

 今年、創立120周年だが、これは一つの通過点で、改めて引き継ぐべきもの、未来へ進化させるべきものを考えたい。

まず、引き継ぐべきものは、建学の精神である。初代校長、山脇房子が明治という時代にあって女性が教養をみにつけて、志をもって勉学に励むこと、そして、社会で活躍することこそが国を豊かにすることである、という強い志をもって本校を創立した。

一方、これからの生徒たちが生きる未来、社会を見据えて進化し続けることが大事である。これからの未来社会は、複雑で不透明で予測のつかない今より厳しい社会といわれているが、これからの時代に必要な力として、情報収集能力、思考力、仮説構築力、行動力、協働力、想像力、創造力、ICTスキル、DXスキル、データ分析力、語学力、表現力、チャレンジ精神etc.・・・中学時代は、人生のベースとなる時期であるから、これらの必要な力をつけてあげたいし、つけられるのが本校であると思う。

「志」という本校が大事にしている言葉は、2つの意味を持っている。1つは、自分が心に決めた決意や目標を実現すること、2つめは、他者を思いやる心、愛情・厚意・貢献である。この自己実現と他者貢献の両方が考えられてこそ自分たちの志が叶えられる。

120周年を機に、改めて「山脇学園の志」である建学の精神を不易と流行に照らし、社会で活躍する女性像を見据え進化し続けることを実現するため「山脇スタンダード」として本校の教員たちが数ヶ月かけて考えた。それは、

1 未来社会の活躍に必要な力
2 6年間で育てたい女性像
3 これからの山脇学園像
4 これからの教員像

の4つである。

1 未来社会で活躍するための力を育む本校独自カリキュラムマネジメントとしての「総
合知」を教科の枠を超え、志を育む学びとして6年間の中に配置する。

2 6年間で育てたい女性像とは、多様な価値観を持つ人々と対話を通して学び合い、創造的な場を創り出す人。また、他者に共感し多様な意見を受容しながら自分の考えを的確に発信し行動する人、そして、多様な知から学び取りチャレンジを楽しみ、自らの選択で志を定め、その実現へ自走する人である。

3 これからの学園像は、選ばれ続けるサスティナブルな学園へ進化しなければならない。それには、生徒が社会で活躍できる豊かな人間性と自らの志の実現に必要な学力をつけられる学園であり、また生徒が“多様な知”から学び、多彩なステージを経験することで、自らの枠を超え、社会実装につなげられる学園である。さらに、時代を見据え、柔軟に進化し、アントレプレナーシップ精神でチャレンジし続ける学園であると考える。

4 これからの教員像は、アントレプレナーであり、イノベーターでなければならない。それは、生徒に頭と心で学ぶ楽しさ、自らの力を開拓する喜び、生きる目的をワクワク伝え引き出す教員である。そして、生徒・保護者・教員の多様性を認め、信頼関係を築き、礼節をもって対話的に向き合う教員である。さらに、広く世の中に目を向け、チャレンジのステージを求め、主体的に探究し学び続ける教員である。そのために、年間5~6日の教員研修を実施している。

 中高一貫なので、6年間を2年毎のタームに分けて、そこでテーマをもって、生徒たちの教育にあたっている。

1 中1、中2は、学ぶ力、学びとる力を育てるためには、まず土壌を耕すことに力を入れる。自走する力を育成するために、中一から手帳をつけさせてセルフマネジメントさせる。
2 中3、高1は、枝葉を伸ばすようにチャレンジしアクションをおこす2年間である。
3 高2、高3は、花を咲かせる実現へ向けて自走する2年間である。学びたい大学に合格することも大切だが、それがゴールではなく、その生徒の人生で豊かな実をつけることを大切に考えている。そのために「志」をもとに進路を定める。目標の実現に向かって自走してもらう。生徒会活動や部活・行事等でも自治、統括してもらう。

私は道徳を受け持っている。最後の授業で話すことは・・・私自身が経験してきた時代とも違って生徒のみんなが生きていくこれからの時代は、ジェンダー格差はだいぶ是正されていると思う。女性が自分の生き方を自分で選択し、自分で自立して生きていく時代であろう。その一方で、女性ならではの悩みをかかえることもあるだろうし、年齢や周りの環境の中で、社会の状況の中で選択肢を狭められることもあるだろう。しかし、自分の「志」を携えて、その時そのとき精一杯の選択をして、幸せを築ける人になってほしい。ということを話している。しっかりした根を張り、折れない太い幹としなやかで豊かな枝葉を育てるために、だからこそ、今、山脇で学んでたくさんの経験を積んで欲しい。

最後に、If you can dream it, you can do it.という言葉で締めくくりたい。

【6年間のカリキュラムと学習進路支援について】 学習進路部長より

中1、中2は、学ぶ楽しさを知り、自律的な学習習慣を身につける。
中3、高1は、主体的な学習姿勢と探求的な学びを身につける。
高2、高3は、文理・選択制授業で実践力を育成し、大学合格力を身につける。受験科目については、全て習熟別授業になる。

山脇で育てたいものは、人生を主体的に生きる力であると考えている。そのためには何が大切か。2つのことをあげたい。1つは、自己決定、つまり自分の進路は、自分の価値観に基づき自分で決めること。もう1つは、自己効力感、つまり、自分は物事を達成できるという自信を持つことで自分は成長できると感じることを自己効力感とよんでいる。そして、周囲の人々と互いに良い影響を与え合うような関係性を作ることが学校での学びであると考える。

こうした学びの中にあるのが学ぶ喜びだと思う。何のために、という以前に「学びの喜び」を知って生涯にわたって学び続ける、そういう人を山脇で育てたい。

そのために山脇では、生徒の主体性、対話を重視した授業に力を入れている。双方向のやりとりであり、ペア学習・グループ学習を多くして、意見を共有したり、発表したりして学び合うことを重視している。

また、ICT機器、オンラインツールも活用している。さらに、学びのエリアも充実させている。イングリッシュアイランド、サイエンスアイランド、セルフスタディアイランド等を設けている。

さらに、自走し続ける力を育成するために、日々の学習のフォローアップもしている。
学習方法の定着と習慣づけるために、学級担任・教科担任による面談や、オンラインツールでのコメントのやり取り、学習手帳、スタディプラスによる学習状況の把握の他、学習の遅れがちな生徒の補習もしている。

また、授業プラスアルファの各種講座を設けている。夏、冬、春期講習、英検、TOEFL Junior対策、駿台講師による英数トップレベル講座、等々。

SSI(セルフスタディアイランド)日々の学習で放課後の自習室の利用も盛んである。午後3:30~6:45まで開館。週2日(月・木)はチューターが質問対応している。先輩から後輩へ学びの文化を継承していく場と位置づけたい。

【山脇の英語教育について】

山脇の英語が大切にしているものは、未来に世界地図を描く「志」の育成である。また、大学、社会で通用する実践的な英語力の育成であり、多文化社会で生き抜く協働力、発信力の育成である。

そして、山脇の英語教育の特徴は「学び合い、伝え合い」を重視した授業である。語学力に応じた5段階別の習熟度に合わせて授業をしている。グレードを5段階に分けて

G1 英検4級初学者
G2 英検3級相当
G3 英検準2級相当
G4 英検2級相当
G5 英検準1級相当 

である。G1~G3まではネイティブが入る時間が週6時間の内1~2時間だが、G4で5時間、G5では6時間全てネイティブによる授業になる。

実際のところ、中1入学時で約7割の生徒が英語を1から丁寧に扱うG1クラスであり、置いて行かれる心配はない。中2で約6割がG1である。週1時間ネイティブの先生と学習するイングリッシュアイランドでの授業で、スピーキングやプレゼンスキルを学ぶところがポイントである。

【山脇の進路、キャリア支援について】

6年間のキャリア教育のカリキュラムを組んでいるが、まず、中1は「自分について知る」ことを考える。そして社会のしくみを知ることにより、では、自分は社会の中でどのように役に立っていきたいのかを考えるのが中3の時期で、それまで将来のイメージ、目標ができてくれれば、次はそれを実現するためにどういう進路が考えられるのか、そのためには何が必要かが出てくるであろう。それを具体的に考えていくのが高校の3年間である。

【山脇の卒業後に実現してほしいことは】

「他者とのつながり」の中で「自分らしく」生きるということです。

中学までのキャリア教育
中1はSDGsを知る、とか、社会とつながること、中2は職業インタビューを通じて自分の仕事を意識したり、中3はキャリアプランニング、大学について知ろうというテーマで、卒業生や社会人、大学の先生による講演会を実施してきた。

【2022年度 卒業生の進路】

主な大学への進学者数 85大学164学科。
進路の多様性こそが山脇の特徴だと思う。一人ひとりが自分の志と向き合った結果である。 文・理合わせて全体の7割の生徒が一般選抜で、3割の生徒が総合推薦型選抜で進学をしている。今後、総合型選抜による進学者が増えてくると思われる。

 芝浦工大との高大連携プログラムで、サマーインターンシップに参加している生徒を対象に、成績の条件はあるが、推薦人数枠の条件は無い、何人でもいいという協定で今年の高3生から実施されることになった。
 進路としては、全体の半数近くが文系分野、残り半数の7割くらいが理系分野で、残りは総合分野への進学である。
 山脇の進路指導の特徴を一言でいうと、一人ひとりの志にとことん向き合うということです。

山脇学園ホームぺージ

https://www.yamawaki.ed.jp/

◆文京区の塾【難関中学受験】現代教育学院 生徒募集中!