[コラム]『赤ずきんちゃん気を付けて』~佳境 すっからかん~

佳境~すっからかん~

10月、11月。
受験生を指導する上で私にとって一番頭を使う時期。
どうすればこの子を飛躍させてあげられるか、どこで立ち止まってしまっているか。生徒のノートを目を皿にしてチェックし、穴を探す。それが単純なミスなのか、でも繰り返すようであればそのミスは致命傷。計算の仕方のクセや甘さを指摘して、「正答」に近づけるようにアドバイスする。
浮かれている、あるいは甘く見ているような言動はぴしゃっとやらなければならない。俊敏さが必要なのだ。嫌みにならないように、根にもって落ち込むことのないように。後腐れなく、手首のスナップを効かせてバドミントンのスマッシュのように。

ロングラリーになるような子は、集中している。
これができたらこれをやってごらん、ここはちょっと戻ってこれをやってごらん。
全員がラグビーの美しい攻めのラインに並んで押し進んでいけたらいいと思う。9月の初めはまだまだ乱れているけれど、10月に入って空気が変わった。勉強は極めて個人的に進めるものだけど、あと1問、あと2問、とやっているうちに、攻めの空気が生まれて来る。たまにブレイクして楽しい話でリラックスさせてあげるけど、すぐに自分の問題に戻って取りかかる。

若干12歳。
偉いなあ。
あー、疲れたあ!と、授業後に呟くアナタ。正解です。今日は何問解いたんだろうね?脳みそがデッドヒートだね。帰ってお風呂に入って、温かいお茶でも飲んでおやすみなさい。(ビールというわけにはいかないよね、まだまだ)

そんなみんなと4時間過ごした帰りの電車では、私の頭はすっからかん。ぼーっとして降りそびれたりしています。
審判ではなく、選手として私もみんなと一緒に攻めますよ。
いけるところまで行こうよね。