芝浦工大附属中学校・2021年度入試における主な変更点
・共学化に伴う女子の募集開始
・初の午後入試として、2月2日に特色入試が加わる
・国語と算数で「聞いて解く問題」を実施
・算数で「式や考え方」を重視する配点に変更
芝浦工業大学付属中学校は、2017年の豊洲への校舎移転に続き、2021年からは共学化が実現し、ますます注目を集めることになるでしょう。同時に新カリキュラムもスタートし、探求型授業を積極的に取り入れるとのことで、時代の要請に合わせた変革を次々と進めていることが感じられます。
それに合わせて、入試にも変更が加わります。学校の中身が変われば、受験生に求められる資質が変わるのは必然であり、変革への本気度が感じられます。特に、国語と算数で「聞いて解く問題」が加わることは大きな変化と言えるでしょう。各60分の試験のうち、5~10分が充てられ、国語では文章を正確に聞き取り、その内容を理解する力を、算数では耳からの情報をイメージする力を測るものとなるとのこと。いわゆる言語の四技能のうちの「聞く」を中学入試に取り入れた先駆的な例と言えるでしょう。さらに算数では、式や考え方を重視する配点へと変更になります。
また、新たに特色入試(2月2日午後)が加わり、言語技術あるいは英語のうち1科目と算数の試験が行われます。新教科である言語技術とは「言葉を用いて、思考を論理的に組み立て、他者にわかりやすく伝達する技術」とのことで、試験は「論理的思考力・分析力・表現力・発想力」を測るためのもので、あくまでも国語とは異なるという説明がありました。その一方で、理科の配点および傾向に変更はなく、例年と変わらず社会の試験は実施されません。
こうして見ていくと、入試及び新カリキュラムにおいて、新学習指導要領が提唱する「主体的・対話的で深い学び」を先進的に取り入れようとする意志が強く感じられます。いくつもの変更点はそうした方向性に沿ったものであり、首尾一貫しているように感じられます。それらに戸惑いを感じる受験生と親御さんもいらっしゃるかもしれませんが、学校のホームページにはWEB説明会や新入試のサンプル問題が掲載されており、動画による詳細な説明が行われています。学校からの情報をしっかりと分析して、早めに対策を立てておけば恐れる必要はありません。変化が大きいだけに、第一志望でしっかりと準備をしておいた受験生と、そうでない受験生との差が付きやすくなるとも言えるでしょう。
中学入試募集要項 http://www.ijh.shibaura-it.ac.jp/admission/junior/outline/
WEB中学説明会 https://sites.google.com/shibaurafzk.com/sit-ts/
算数の「式や考え方」を重視する配点変更について http://www.ijh.shibaura-it.ac.jp/wordpress/wp-content/uploads/2020/08/20200801-5f24bc146f1f5.pdf
国語・算数の「聞いて解く問題」と特色入試のサンプル問題 https://sites.google.com/shibaurafzk.com/sample/